バスボムに、愛を込めて


リョータさんの部屋を後にすると、あたしたちは一階に降りて本郷兄弟のお母さんと話した。

兄弟二人を見ればわかるけど、予想通り綺麗だったお母さんはすらりと背も高くて、五十代とは思えないモデルさんみたいな体型。

あたしも本郷家の血筋がよかったな……あ、でもそしたら本郷さんとの恋が禁断のものになっちゃう。

お母様を見ながらそんな馬鹿なことを考えつつ、ダイニングでお茶とお菓子を頂いた。

ご両親はリョータさんのことはとっくに受け入れていたらしく、「瑛太だけがいつまでも子供で困ってたの」なんて本人の前で話すから、本郷さんは出されたクッキーをのどに詰まらせてむせていた。


「それにこの子、料理をするのに手袋とマスクをして帽子をかぶれって、母親にそんなばかげた要求までしてきたのよ?」

「あ、それはあたしも言われました。でもそれを知らないでデートにお弁当を作っていってしまって、全部自分で食べる羽目に……」

「まあ、彼女にまでそんなこと言ってたの!?」


話の流れ的にこの場にいづらくなったのか、本郷さんは紅茶を一気飲みすると、椅子から立ち上がる。


「……俺、部屋に戻る」


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