バスボムに、愛を込めて
「ちゃんと言うって……約束だったよな」
……覚えてくれていたんだ。熱中症で倒れた彼の元へ、仕事中にもかかわらず不謹慎な質問をしに行ったあのときのこと。
あたしはごくりと唾を飲みこみ、本郷さんの言葉を待った。
「もうわかりきってると思うが、俺にはお前が必要だ。ずっと、側にいてほしい……」
「ほんご……さ……」
そんなに優しい目をして。そんなに愛しそうに“側にいてほしい”なんて言わないで。
せっかくリョータさんにやってもらったメイクが、全部涙で落ちちゃうよ。
少し前から両想いとわかってはいたけど、言葉にしてもらうのがこんなに嬉しいことだなんて知らなかった。
羽石美萌、今までの人生で最大の幸せ。
なのに視界が涙で霞んで本郷さんの顔が見えないなんて、もったいなすぎるよあたし……
「……美萌。返事は?」
わかってるくせに。あたしはあなたが大好きで大好きでたまらないって。
あたしはベッドから降りて、本郷さんに抱きついた。