情熱効果あり
情熱効果
哲志先輩を避ける日々が続いている。顔を合わせたくなくても、同じ職場だとそうはいかないけど、必要以上の会話を避けていた。


「麻衣ちゃん、今日一緒に食べましょう」


昼休み、局長に誘われて、局長の家に行く。


「こんにちは」


「あ、こんにちは。久しぶりですね」


局長は恋人の藤田さんとうまくいっているようで、サヤカちゃんとも一緒に食事をしたり、出掛けることもあるらしい。


「昨日ね、おでんをたくさん作っちゃったのよ。だから、食べてね」


「わあ、おでん！大好きです」


「手伝うよ」


局長の隣りに並んだ藤田さんは優しい目で局長を見つめる。


「ありがとう」


ほのぼの恋愛という感じで羨ましい。


「麻衣ちゃん、哲志くんと何かあったの？最近、２人とも不自然よ。特に麻衣ちゃんが…」


端から見ても不自然だったようだ。確かに私の行動は不自然に見えるかもしれない。
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