あの人は俺たちの兄だった。


「二人とも忘れ物ないな?」

『大丈夫』

「なら、この学校とも最後だ。最後に挨拶しとけ、世話になった学校だ」


兄さんは俺たちにそういった

確かにそうだ

この学校では嫌なこともあったけど、今までお世話になった

俺は大きく息を吸い込んで言葉を発した


「今まで、お世話になりました!」

「お世話になりました!!」


そう告げることで何か吹っ切れたきがした

ここであった嫌なことを忘れることはないだろう

でも、次のところまで引っ張っていくこともなさそうだ


俺たちが帰ろうとしたとき、あいつの声がした

そう、俺を散々苦しめた・・・新島
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