あの人は俺たちの兄だった。

「まってくれ、瀧野!」


新島は俺の旧姓である名で呼んだ

俺はピクリと反応し、新島の顔を見ると

今までに見たこともない顔をあいつはしていた


「っ、今まで・・・悪かった。俺は、散々お前にひどいことをした。
お前を刺してしまった時、わかったんだよ。
お前も俺たちと同じなんだって、すごい怖かった。
俺が、お前と同じだったら、俺がお前にしたことと同じことをされたらって考えたら、自分が何をやったのか、お前をどれだけ傷つけてしまったのか・・・わかった。
だから、いまさらお前に許してもらえるとは思ってない。
俺自身、自分のことが許せないのにお前に許してもらえるわけない。
でも、最後に言いたかったんだ、ごめんって。
瀧野、ホントにごめん」


新島はそういって頭を下げた
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