人は生た分だけ過去があります。それは100%、誰にでも。毎日を心から穏やかに過ごしてきた人なんてほぼいないと思います。それでも人は、未来に希望を持つことはできると思うのです。
主人公は自分に自信のない女の子。もともと自信と勇気がなかったというわけでは決してないと思います。過去の出来事によって、自信を徐々に失い、その都度振り絞った勇気も、少しずつ陰っていってしまった。そして社会で生きる為に“それなり”の処世術を覚えていく。誰にも起こりうることです。
“魔女”になった彼女が“死神さん”に見せた“いつもと違う自分”は、過去が作り出した今の自分を隠してくれている。だから、偽りのない自分でいられたのだと思います。何かを始めるには勇気が必要。そこに差し出された手があるのなら、掴むのも勇気。
恋愛も同じ。そして恋愛はひとりではなく、ふたりでするもの。距離を縮めていくふたりを思わず応援したくなるお話です。