かなさんのレビュー一覧

★★★★★
2016/01/10 17:21
かわいくて、色んな要素を楽しめる

とある理由により、同い年の男の子と同居することになったひかる。第一印象は最悪。なのにまさか、その子が同じ学校で、同じクラスで、しかも入ろうと決めたサッカー部の部員だなんて…!! ところどころに転がる甘い展開にキュンとしつつ、サッカー描写もしっかりされていて、始終爽やかを感じられるお話。あっという間に読み終えてしまいました。 主人公のひかる、本当に真っ直ぐで頑張り屋さんな女の子なんだなぁと、読んでいて伝わってきます。サッカーにストイックでかっこいい相ヶ瀬くんと並んでいたら、きっとぴったりお似合いなんだろうな。ケンカごしのやりとりにも、にんまりほっこり。 この作者さんの文章やセリフは、いつも本当に丁寧だなぁと思うのですが、今回も同じく。甘さも爽やかさも、作者さんらしさも存分に味わえて幸せでした。

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★★★★★
2016/01/01 19:44
正夢?逆夢?

気になっているクラスメートに、とっても甘いセリフを言われる夢をみてしまった主人公。 正夢!?正夢なわけない。正夢だったらいいな。けれど現実は、真反対の展開でーー 夢をすごく上手に扱った短編でした!! 最後、夢のセリフが出てきたときは、きたー!繋がったー!!と、思わずにんまり。キュンと同時に、なんだか爽快感まで味わってしまったり。 夢の内容。現実。その書き分けも、お話全体の起承転結も、しっかりしていて……なのにだらだら長いわけじゃなく、テンポよくぎゅっとまとめられている。 そんなところも、短編としてとっても素敵でした。 新年にふさわしい、ハッピーで爽やかなお話。ぜひ読んでみてください。

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★★★★★
2015/10/07 14:31
感服のおもい

構成力と文章力に圧倒されました。なんだろう。読み終えてもなお、というか。久々に世界から抜け出せない感覚です。本当に感服の一言。 いつの間にか、泣いていました。 だれかが死ぬ、という物語は一貫して悲しいもの。けれど、その事象が涙を誘ったのではありません。 作者さんがつむいだ言葉や、人物たちの想い、築かれていった関係性に、心をつかまれて、深く感情移入していたから。このお話には、本物の恋と友情と、絆が描かれていたと思います。 本当に力をお持ちで、そして、それだけではない作者さん。彼女が書き上げたお話に出会えたこと。ヒィに、ミィに出会えたことが、今、とても幸せです。ぜひ、読んでください。

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★★★★★
2015/10/07 12:15
爽やかに駆け抜ける

バンド嫌いの高校生、結愛。彼らが生み出す曲を耳にしたときから、結愛の世界はめまぐるしく変わっていってーー。 バンドを、音楽を受け入れられなくなった過去。ラブソングを歌わない理由。 主人公の、そして周りの登場人物たちのフクザツな背景もしっかり書ききっていて、すごく納得しながら読めました。 しかも、しっかり書ききっているのに、決して重くない。間延び感や無理やり感がなく爽やかで、彼・彼女たちと一緒に青春を駆け抜けているかのような気持ちで、一気読みしてしまいました。後半につれ、どんどん展開が盛り上がっていきます。 作中に出てくる歌詞もとっても素敵!爽やかで一生懸命。等身大な恋のお話をありがとうございました。

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★★★★★
2015/07/11 04:00
恋をすること、踏み出す一歩

社内イチのタラシ男に、初接触で主人公が言ったセリフ。 ーーわたしを抱いてください! いきなりのトンデモ展開に引き込まれて読み進めたが最後。手が止まりませんでした。 思わずツッコミを入れたくなるヌケヌケの主人公いろはちゃん。ふふっと微笑ましく思っていたのに、いつの間にか彼女に感情移入していて。成長していく様子に、憧れすら覚えていました。 柏木さんも大好き。読み進めていくとどんどん好きになる。この作者さんは、弱さを含めた男性の魅力を描き出すのが本当にうまいなぁと毎回思わされます。 どんなハジマリでも、一緒にいるうちに楽しくなって、相手をもっと知りたくなって、弱さすら見せられるようになって、本当のお互いを知る。大切にしよう、守りたいとすら思える。なんて最強なんだろう。 パワフルでポップで強くて優しい。真っ直ぐ届く素敵な物語をありがとうございました!!

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★★★★★
2015/04/24 19:40
大人で爽快で、元気をくれる

後半は息つく暇もなく、夢中で読んでしまっていました。 俺様的要素においても、不器用要素においてもグワシッ!とハートをつかんでくれる課長の魅力は当然なので、ひとまず置いておくとして。 主人公、なんって素敵なんだろう…!! こりゃ惚れるわ!!と口に出してしまいたくなりました。行動力。意志の強さ。拍手したくなりました。 女同士のキャットファイトシーンの清々しいことといったら!このお話には悪者もいるけれど、その悪者にも感情があって、間違ってしまうことがあって、作れる未来があるんだなぁと。そこまで描ける作者さんが素敵。レビューの文字数足りない。 中学生男子の家には行きません!のセリフが、こっそりにんまりお気に入りです。素敵なお話をありがとうございました!

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★★★★★
2015/04/10 10:38
走り抜けていた

陸上と恋をメインにした、実話小説。あたためるように大切に読んできましたが、後半は指が止まらなかった。 途中の駅伝のシーン。莉桜にたすきがわたる瞬間、なぜか涙があふれてきました。 陸上をしていたわけではないけれど、長距離のなんともならない苦しさと、走り終えたあとの鼓動、達成感。応援の声。頑張ったね、の声。全部全部よみがえって、実際に風を切っているような気持ちになりました。 莉桜も、桐島くんもとても大好き。夢に向かって懸命で、繋がりを大切にできる人たち。考えて、その場限りでない選択ができる子たち。キラキラしてるなぁ。眩しいなぁ。 本当に青春でした。弱さも強さも、若さも成長も、友達も恋愛も、全部が詰まってる。読み終えたあと、空を見上げて息を吸って、走り出したくなる。誰かを一途に思いたくなる。そんな、大好きなお話です。

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2015/02/22 19:39
懸命に生きていれば、そこには

彼氏と別れた直後に親に結婚をせっつかれ、どうしようもなくなった主人公が選んだのは、彼氏の代行を頼むことだったーー そんな展開から始まるお話は、決して主人公に優しかったり、都合の良い展開になるわけではなくて。人間関係の複雑さや冷たさ、会社のパワハラ。そして新たな職場での慣れない仕事や失敗。うう、と胸が締め付けられる。 けれど、そのどれもに対し、真摯で懸命に向き合い、選択をしていく主人公だったからこそ、切り開けた未来だったのかなと思います。謎に焦らされて読み進める中で、人物の気持ちの表し方や展開の丁寧さに、やっぱりこの作者さんだなぁと感じて、ほっこり。 これからの二人ももっと見ていたいなぁ。素敵なお話をありがとうございました。

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★★★★★
2015/02/06 23:06
くるおしいほど

目隠しをして、彼だと思い込んで、違う男に抱かれる。そうでないと、自分を保っていられない。狂っている関係が、たどり着く先はーー。 あーもう!男も女も可愛かった…!!この方の書かれる作品は、人間のどろりっとした悪い部分が描かれいるのに愛おしくて仕方がないし、じたばたするし、とにかくたまらないのです。 始まりが狂ってたっていいんだよ。過去には引きずられるものなんだよ。男が泣いてしまったっていいんだよ。女が男を包む瞬間もあっていいんだよ。っていうか、男と女は知らず知らずのうちに支えて支えられての関係になってるんだね。真っ直ぐで少年のような部分に救われたり、触れ合うことで生きながらえたりするんだよねって、何度もうなずく。 やっぱり大好きな作者さんだー!この方の作品へのレビューはいつもまとまりがなくなってしまいます。華と青司(それから何気に泣かされた校長)に愛を込めて!!

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★★★★★
2015/02/06 22:11
息をはいて、生きていく

死んだ父親も、片親の家庭も、低脳な同級生も、空想も大きらい。そんな主人公がふと立ち寄った屋上で出会ったのは、きれいで不思議な男の子でーー。 人と触れ合うあたたかさと、現実の苦しさに胸をしぼられつつ読みました。 現実が辛かったら、空想に逃げて。ふいに現実に戻ったとき、より苦しくなって。また空想に入り込む。そんな負のループを繰り返しながら、わたしたちは生きていくのだと思います。 空想なんて馬鹿みたいと他人を卑下することで自分を守ったり、関心がないふりを続けて孤独を避けたり。生きるって、そういうことが必要で。 けれど、このお話を読み終えて、前向きな空想もあるんだと気付かされました。休憩したっていいんだ、と背中を優しくたたかれたようで、ほっと息を吐くことができました。 たまには星空を見上げて、空想を広げて。それでいいんだよって、自分にも、大切な誰かにも伝えたい。

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★★★★★
2015/02/06 06:50
迷走、逃走、奔走

フリーマーケットに参加することが日々を生きる上での楽しみになっている、OLの仁美。けれどそのことで課長に、ダブルワーク禁止だと脅されてーー テンポの良さに、まるでキャラたちと一緒に走っているような感覚を受けました。 …というか、本当に走ってる。恋愛で迷走、避けて逃走、タクシーで奔走。作者さんならではのコミカルさを含めた文章にくすりと和み、けれどどうなるの赤ずきんちゃん!!と切なくなったり、焦ったり。 仁美を見ていると、いくつになっても恋愛って人を臆病にさせるし落ち着かなくさせるし、とびきり可愛くさせるんだよなぁと思わされました。できる男の課長も、なんだかすごく可愛かった。 332ページの課長のセリフにとてもキュンとしてしまったことをこっそりつづって、可愛く一生懸命でパワフルなお話へのレビューを締めたいと思います。

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★★★★★
2015/02/01 13:59
一途な想い

ずーっと好きで、苦しいこともあったけど、やっと一途な想いが通じる。そのパターンに当てはまらないのに、結末を祝福できるのは、作者さんが登場人物それぞれの気持ちをすごく丁寧に、なおかつわかりやすく結びつけてくれているからだと思います。 このお話には、悪役がいなかった。けれど決して、善人ばかりだったわけじゃない。みんな迷って、間違えて、ひどいことを言ってしまったり、つらい態度をとってしまったり。 それでもみんな、逃げないで省みて、もう一度自分を見つめ直してる。相手を大切に思っている。主人公の真っ直ぐさにもブレがなく、だからこそ、誰かに懸命にぶつかることの大切さを、伝えてくれるのだと思います。 もちろん、たくさんのキュン!も詰まっていて、思わずにんまり。ピンクカラーもブルーカラーも味わうことができ、なおかつ素敵なメッセージを残してくれるお話を、ありがとうございました!!

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★★★★★
2015/01/24 23:01
こんなにも、"恋愛"

同期同士の、じれじれすれ違い、恋の物語。 わたしは心臓を撃ち抜かれました。大人同士の物語のイメージをぶち壊されました。ものすごくいい意味で。 大人でも、こんなにも恋愛ができるんだなぁ…!! こんなにもウジウジ、グダグダ、少しすれ違って、それが重なって、大きな溝ができて。踏み出せなくて、気付くのが遅くて、痛くて、痛くて、泣いてしまう。 伊瀬くん、本当に好きだ。やられた。珠綺ちゃんの無自覚っぷりに振り回される伊瀬くんが良い。珠綺ちゃん、本当に可愛くて愛おしいから、そりゃ好きになるよ。珠綺ちゃんの可愛さをちゃんと見つけた伊瀬くん、グッジョブだよ、ともう無限に語りたい。作者さんの文章ごと抱きしめたい。 これだけは簡単にするまい、と渋るわたしのとっておき、書籍化リクエストボタンを押しに急ぎます。あーもう、だいすき!!

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★★★★★
2015/01/23 21:07
正しく最強で最高の

まさかの偶然で、電気メーカーの"リストラ"課に雇用された主人公。お人好しで正義感の強い、美帆乃の運命はーー 一気に読みました。主人公が初めて「美帆乃」と呼ばれた瞬間。気持ちがリンクして、涙がこぼれていました。走り抜けるような後半の展開、楠さんの、美帆乃の、笹川くんの、それぞれの気持ちの強さに、また泣いていました。勧善懲悪、爽快なストーリーのはずなのに、顔がぐちゃぐちゃになっていてびっくり。 正義が正しいと言えないことばかりの世の中。お話を読んで、希望を見つけられた気がしました。正誤を感じられなくなるような生き方はしたくない。 恋愛面だけじゃない、圧倒されるほど練られたお話。けれど恋愛面だけ取り上げても十二分。わたしにとって二人は、正義のヒーローであり、水戸黄門御一行様であり、最強のカップルです。 とても400字では足りません。素敵な物語をありがとうございました。

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★★★★★
2015/01/18 22:07
真っ暗闇に、差した光

バスケが大好きな夏帆は、レギュラーに選ばれたことがキッカケで、部員たちから酷い仕打ちを受けるようになってしまう。傷つき、声も失い、もう二度と光なんて差さないと、そう思っていたーー。 この方の書かれる青春は、ただふわふわ、キラキラしているだけじゃない。甘酸っぱいだけじゃない。 本当に痛くて、思わず目をつむりたくなる部分も、ちゃんと描き出していて。登場人物たちが、必死に、精一杯、もがきながら生きていて。 だからこそ、まるで実話であるかのように、身にしみて。主人公を痛めつけるヤツらが許せなかったり、主人公の絶望に泣いたり。また、救いの光に、主人公の頑張りに、じわりと泣けるのでしょう。 夏帆ちゃんの声は、しっかりわたしの元にも届きました。翔矢くんという真っ直ぐな光は、わたしの心も照らしてくれました。 素敵な物語を、ありがとうございました。

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2015/01/18 21:42
まもって、まもられて

守られるより守りたい。正義感の強い女の子、紫乃は、ある日突然、校内人気ナンバーワンかつ女嫌いで有名な、葵衣と同居することになってしまいーー。 この方の前作で、ピンクレーベルっていいなぁ!と思わされたのですが、今回またさらに、ピンク最強じゃないか!と思わされました。 もう!もう!ちょっと!!と、誰かに伝えたくなる。葵衣のカッコ可愛さ。何度、ずばっ!と胸を突かれたことか。そして登場キャラがみんなそれぞれ素敵。好き。 お話構成はすごく練られているのに、こんなにも柔らかく素直に読むことができ、キュンと胸が鳴る(というか刺さる)感覚を読者に与えてくれる。作者さんならではの才能だよなぁ、とひしひし感じます。 わたしも手をマイクにして、テンション高く言いたいです。このお話、大好き!!

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2015/01/11 22:24
キラキラしている

辛い恋をして、もう笑えないかと思った。そんなとき、笑顔をくれた先輩。彼の役に立ちたくて、マネージャーになると決めた。"部内恋愛禁止"の、サッカー部のマネージャーに。 キラキラしていて、まさに、青空ラインの題名にぴったりなお話! ヒーローとヒロインだけじゃない。部員や家族、それぞれの想いが大切に、丁寧に書かれていて、この作者さんの色だよなぁと深くうなずいていました。サッカー描写や、チーム内での会話も見事。 青春には、恋も友達も仲間も勉強も部活も、欠かせなくって。その比率、バランスは大事でも、ゼロにすることはできない。生まれてしまった想いは、かくせない。 どこまでもまっすぐな、頑張り屋の杏ちゃんと、やさしくて一途な優くんに、青春っていいなぁ!と改めて思わされました。

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2015/01/11 20:16
信じることと話すこと

幼稚園教諭の萌は、高校時代のひどい失恋のせいで、それ以来誰とも付き合えないでいる。なのにある日、園児の保護者として現れたのは、トラウマの原因の元カレでーー。 本当に読みやすい文章と、流れ。いったん休憩、をはさむことなく、一気に読んでしまいました。 分配や、セリフの効かせや、小道具の使い方がとっても自然。最後に、ああ、あれはそういうことだったのか!とつながっていって、思わずにんまりしてしまいました。 過去も、今も。これからも。きっといい意味で、変わらないふたり。 これから不安が生まれることがあったとしても、大丈夫。信じることと、気持ちを伝える大切さを、感じたから。7年越しに通じ合った想いは、つよい絆を生むから。 読み終えて残ったのは、やわらかな甘さ。とてもあたたかい気持ちになれました。

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2015/01/08 07:38
ニンマリが止まらない

自分の容姿に自信がない美胡。色々と諦めていた。自分なんかに、奇跡は起こるはずないって。なのに、人生で唯一告白してくれた彼と、再会してーー この方の書かれる男の人って、なんでこんなに誠実でまっすぐで優しい魅力に溢れているんだろう…!! 村瀬くんの一挙一動にニンマリしながら、美胡ちゃんを応援しながら、友情に乾杯!と思いながら、あっという間に読んでいました。 最初と、最後の変化。美胡ちゃんの変身第一歩を本当に目で見たわけじゃないのに、美胡ちゃんはたしかに、かわいくなったなと思った。気持ちだったり、行動だったりが、女の子のものになってた。 恋っていいなぁと感じ、こんな男性いいなぁとニンマリが止まらない、素敵な短編をありがとうございました!

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★★★★★
2015/01/05 00:12
"あきらめない"

学年一地味な奈央に告白してきたのは、目立って人気の彼。けれどそれは罰ゲームで、知ってしまった奈央はーー。 少しだけ、と思っていたのに、好みの文章の連続とどうなるの!?な展開に、結局夜更かしで一気読み。この作者さんでの夜更かし、何度目になるでしょうか。 復讐。黒い喜び。たしかにそれらは、奈央ちゃんの中にあったけれど。でもこの物語は総じて、透明で、澄んだ気持ちに満ちていたような気がします。 気持ちを投げて、ぶつけて、行き先を間違えて、方法を間違えて、最後はちゃんと、相手に、渡すことができた。 何度もウルっときましたが、朝子ちゃんのシーンでは、思わず泣いてしまいました。登場人物、みんな好き。 作者さんがくれた、あきらめない、のメッセージ。澄んだ物語の中で、しっかり受け取ることができて、幸せです。

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