身寄りを失い一人で暮らしを立てている
農民の子ユンジェは怪我を負い声を失った美しい男を拾う。
男、ティエンと暮らし始め、一年後。
ユンジェはティエンが国の第三王子であり命が狙われている真相を知る。
またユンジェ自身も彼を匿っていた罪に問われ謀反人にされてしまった。
彼を守るため懐剣となったユンジェの役目はただひとつ。
【所有者の王子を、ひたすら守ること】
ユンジェは今日もよく考える。
王子を守るために、生かすために、自分が生き抜くために。
後に、彼は黎明皇(れいめいおう)の懐剣(ふところがたな)と呼ばれ国に名を遺す腹心である。
※アジア風ファンタジー
※国や文化など、まったくの架空設定
- あらすじ
――生きろ、たとえ百も千もの人間が、己の死を望んでいようとも。
麒麟が守護する麟ノ国。
その国で生きる農民ユンジェは、国を亡ぼす呪いを持つ第三王子を助けたことで、王族を導く「麒麟の使い」のお役を賜る。
やがてそのお役をめぐり、王族、謀反兵、そして欲深い人間どもに狙われるようになる。
これは麒麟と、生きるための物語。