篠原 友里
松浦 治

加賀谷 弘也


私の内緒の片想いに気づいたのは、社内で〝最低〟だと噂されながらも人気の絶えない男だった。

「俺と仲良くしていれば、加賀谷さんに気にかけてもらえるよ」

冷たく断っても付きまとう松浦さんを、いっそ私も利用してやろうと愚痴のはけ口にしたのがいけなかった。

「こんなところを、松浦さんに想いを寄せている子に見られたら、私きっとひどい目に遭います」
「もちろん、その時は俺が守るよ」

いつもの軽口が上手にかわせなくなったのは、いつからだろう。

「行くなよ」

掴まれた手を振り払いたくなくなったのは……いつからだったんだろう。


「ゲームセットですね」
「……え?」
「興味を持つのはおとすまで、ですもんね。……楽しんでもらえましたか?」

私の恋は、いつだってうまくいかない。


「さよなら」


ゲームでもいいと、一度だけでいいと思ってしまった、私の負けだ。






start  2018/7/7
end 2018/12/19




この作品のキーワード
片想い  三角関係  上司  同僚