「ウミちゃんといっしょがいい!」
可愛“かった”
そう。
幼なじみが、可愛かったのは、
もうずっとずっと過去の話。
「夜道に女の子ひとりは危険でしょ」
疎遠になっていた幼なじみと、
まさか数年ぶりに話すことになるなんて。
「羨ましかった?キスしてるの」
だけど、可愛かったあの頃とはだいぶ、
見た目も人格も変わってしまったわけで。
「……海風もしてみる?」
今の彼に名前なんて呼ばれたくなくて。
「だいっきらい!」
そう突き放したせいで──────。
゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜゜+.
芳川 海風(ヨシカワ ウミカ)
×
有馬 遥琉(アリマ ミチル)
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「ちゃんと責任取ってよ」
「今日から、海風のものは俺のもの」
突然いいがかりをつけられて
ふたたび関わることになって
もう、とっくに忘れてたはずなのに。
「答えないともっとすごいキスするけど」
どんな夜道よりも
キミがいちばん
危険だ──────。