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猛毒が、体をめぐる
自分にぜんぜん自信がない。
その理由を口にすることさえできないけれど、どうにも抗えないほどに、きみを好きになってしまった。

“つきあっていること、絶対に誰にも言わない”という条件付き。
それは、彼が今をときめく高校生モデルだから。
それは、自分がきっと一過性の都合のいい女だから。

素直になりたいのに、なれない。だって、傷つきたくないし、傷つけたくない。すごく大事だから、言えない。
そんなふうにすれ違ってしまうふたりが切なくて、もどかしくて、足をバタつかせたり、頭を抱えたり、涙が滲んだりしました。

「俺はお前の居場所になりたいし、乙葉が俺の居場所だと思ってるよ」

意地っ張りな絢斗が、臆病な乙葉が、それぞれ頑張った先で伸ばした手を、掴むことができてよかった。
怖い場所を飛び出した雨空の下で、ふたりはひとつの傘を差しながら、これからもずっとお互いの甘い毒に酔いしれるのだと思います。
夢雨
21/03/07 16:52

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