「接待なんて、うんざり・・・・」


ОLの私は、休日返上で会社の取引先の相手をしていた

でも、そこで予想外の出来事が起きてしまう


「お医者さまはいませんか! 誰か、この人を助けて!」


意識が無く、床に倒れたままの取引相手

私は大きな声で叫ぶだけで、何もできない・・・・


「A E Dをつかう、はなれてろ!」


私の声を聞きつけ、姿を見せた男性が応急処置をする

手際よく心肺蘇生を始めたおかげで、取引先の人は九死に一生を得た


私の瞳に映る彼はヒーローで

ドクターヘリに乗る救急医


凛々しく顔を引き締める彼のことを

私はいつの間にか、好きになっていた・・・・・



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

高梨 真理
27歳 商社ОL

×

氏家 洋介
30歳 救急医

◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇



「ごめんなさい、私・・・・」


「なにも話すな! 俺が必ず助けてみせる!」


耳を突くようなカン高いエンジン音

空気を切り裂きながら高速で回転するローター

小刻みに揺れるドクターヘリの中は緊迫した状況


苦痛で顔を歪める私を必死に治療しながら

フライトドクターの彼が力強く声をかけていた・・・・


最前線の救命医療で奮闘する彼を見つめながら

かなわない一方的な片思いだと、私は信じて疑わなかった



二人の恋の結末に、奇跡が・・・・・




優秀賞を頂きました
読者様、編集部様、ありがとうございます

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第5回「職業ヒーロー」短編小説コンテスト
事件事故は架空の設定でフィクションです
よろしくお願いします

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