★★★★★
狂気に飲まれてはいけない。
*

主人公は二人います。
が、狂気は二つ…いや、三つ?と思わせられました。

紫煙が充満している中で、普通過ぎる生活を送っていた一般的な男性と、
ドロリと淀んだ空間で、普通とはかけ離れた生活を送っていた女性。

前者の男性の、先を見越したしたたかな狂気。
後者の女性の、先を見ない自分本意な狂気。

そのふたつの狂気が重なると、どんな狂気に変化していくのだろうか。


***

まず先に、この作品は道徳を熟知…といいますか、身に付いている方にしかお勧め出来ません。
心理描写が実にリアルですので、理解しようとして飲まれてはなりません。

ですが、とても興味深い構成を成している作品だという事も事実。
サイド分けや、一人称から三人称への移り変わりも違和感無く読み進められました。
狂気の中に感じたラストの気持ちの変化は絶品。

狂気に飲み込まれない自信がある方にのみ、お勧め致します。
耀成
15/01/23 11:19

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