祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
走り去るキヨの姿を見届けたイノリは、カゼを睨む。



「なんでキヨを連れてきたんだよ!」


「………永遠に変わらない想いを確かめたかったから。でもイノリにはなかったみたいだね」


「は?何?」


「………イノリはキヨだけをずっと好きでいるのかと思ってた。でも違ったって事だよ」



カゼは淡々と話す。


イノリはカゼが何を言いたいのかよくわからなかった。




「華月とは何もねぇよ。俺が好きなのはあいつだけだ」

「………口では何とでも言える」

「お前は何が言いたい?」

「………キヨは俺がもらう。今夜にでも」




カゼがそう言うとイノリはカゼの胸倉を掴み、殴り飛ばした。


カゼは地面に叩き付けられ、咳き込む。





「ふざけんな!お前っ…キヨの事好きでもねぇのにそんな事したらぶっ殺すぞ!!」




イノリは倒れているカゼを上から見下ろす。




「………そんな権利イノリにはない。キヨを何度も裏切ったんだ」

「裏切ったなんて…」

「………じゃあなんでそばにいない?今追い掛けない?おかしいよ」




カゼは頬を拭い立ち上がると、イノリを掴み殴り飛ばした。


イノリは思い切り壁にぶつかり、その場にうずくまる。
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