舞う風のように



奇声や叫び声、怒鳴り声。


きつい血の匂いが漂ってくる。





「…やはり新選組の優勢、か。」




周りとは対照的に、静かでおだやかな部屋。




部屋の中央で胡座をかき、刀の手入れをする。











だんだんと、近くなってくる奇声や金属音。呻き声。




ゆっくりと由紀に近付く鋭い殺気。








刀を鞘にしまうと、ゆっくりと立ち上がった。





「沖田総司と勝負をして見るのも、悪くはない。」


容保様お預かりの新選組1番の強者。

その実力を見てやろうではないか。





あえて気配は消さない。


殺気を解き放った。



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