誰もしらない世界
その頃、杉浦は米村の会社事情が傾いた事を小耳に挟んでいた。
いつものように杉浦は身を隠しているビルの一室で側近の男から話を聞いていた。

側近の男「例の会社、ついにあの女のブランドを畳むまで話が進んだそうです。」

杉浦は黒いソファーにどっしり腰かけてニヤリと笑う。

杉浦「そうか。これからが見物だな。」

側近の男「あと2つ別の情報を聞き付けました。一つはあの女のブランドにれいか様が着目して何やら企んでいるという情報です。」

杉浦「ほぅ。あの女らしいやり方だな。」

杉浦は軽く笑いながら自分の駒どおりに動くれいかの様子を聞きつけ楽しそうに不気味な笑みをうかべた。

側近の男「あと、一つは米村がこちらの例の薬の取引の証拠をまだ隠しもっているんです。」

杉浦「ほう…あまり手がかかるようなら、米村自体を始末しておけ。」

杉浦は急に冷たい眼差しで男にそう言った。

側近の男「ですが、あの男の裏にはどうも名前を伏せて出てこない謎の男がこちらの情報をこぎつけているとゆう話を聞きつけまして…下手に動くのはどうかと…」

杉浦は眉間にシワを寄せる。

杉浦「邪魔な奴は全員けしとけ。」

側近の男「で、ですが…;」


バン!!
その瞬間杉浦は立ち上がりひざまづく男の前にあるガラステーブルを足で蹴り飛ばした。

相変わらずの迫力に男は震え上がった。

杉浦は冷たい眼差しと低い声で静かに言う。

杉浦「手段はなんでもいい。こちらの情報を奪うことさえできれば何も人を消すまでもない。それすらできないなら消すしかねぇな。なんならお前を先に俺が消してやっても構わないけどな?」

杉浦はそう言ってフンっと軽く笑った。

側近の男「か、かかか…勘弁してください。なんとかして情報は、消しますので…」

杉浦はまたソファーにどっしりと腰かけた。

杉浦「駒は駒らしくするんだな。」

側近の男は震えながら軽く頭を下げた。

側近の男「失礼しました。」

そう言って部屋を出ていった。


< 232 / 304 >

この作品をシェア

pagetop