誰もしらない世界
その後に続くかのように女優帽をかぶったれいかが現れた。
佐久間はビルの横かられいかに電話をかける。

れいか「もしもし?」

佐久間「もしもし、すいません。あの昔の部下がそこの喫茶店に入ってきたんで左側のビルの横に隠れてます。」

れいかは電話を切りビルの隅に向かった。

れいか「なに、弱気になってんのよ。」

いつにもなくれいかは強きだった。

れいか「これ被って入ればばれないわよ。」
そう言って女優帽を男の頭に被らせた。

スーツ姿に女優帽とゆう何とも変な組み合わせのみっともない佐久間のできあがりだ。

れいかは思わず笑う。
れいか「あはは!斬新ね!さっ行きましょ。」

佐久間「…」
そう言って喫茶店の中へと男をつれて入った。
佐久間は一人れいかの後ろをもじもじとした格好で周りの痛い視線をたえながら同僚のすぐ後ろの席へと座った。

佐久間「え、ここですか。」

れいか「大丈夫よ。」

佐久間「僕の後ろにいるの部下なんですけど」

れいか「ぶつくさいわないで早く座りなさいよ。気がついてないわよ。」

そう言って強引に佐久間を座らせる。

れいか「女優帽脱ぎなさいよ。これかしてあげるから。ほら。」
そう言ってサングラスを差し出された。

佐久間はその時こう思った。
初めからサングラスを貸してくれればよかったのに…でも仕方ない。そう自分に言い聞かせた。
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