ロスト・クロニクル~前編~
このようなハーブは授業で危険なハーブとしての見本品となるもので、普段は生徒達が間違えないよう別の場所で栽培されている。
今回の授業は、それらの敷地を含めてハーブを探さないといけない。
つまり日頃から予習復習をシッカリとしていれば、決して間違えることはないが。
そして今回の授業で、生徒一人一人の勉学に対しての熱心さが判明するという、なんとも恐ろしい授業内容なのだ。
エイルはポーションの調合に必要なハーブを見付けると、教科書に描かれた挿絵と照らし合わせつつ本当に正しいハーブなのか確かめていく。
ポーションは服用して用いる薬なので、間違って毒草を使用してしまったら相手を死なせてしまうので、注意しないといけない。
「名前が書いてあるのに、調べる必要ないんじゃないの? ほら、これって材料じゃないのか」
「この授業は、一種のテストだぞ。馬鹿正直に書かれている内容を信じたら、あのようになる」
エイルが指差した方向には、調合を終えそれを教師に提出する生徒の姿があった。
すると教師が、調合した薬を飲むように指示を出す。
何故と思いつつも教師からの命令だということで、二人の生徒は薬を飲む。
すると暫くした後、生徒が笑い出した。
どうやら、誤ったハーブを使用してしまったようだ。
「エ、エイル君」
「あれは、神経系を刺激するハーブを使用してしまったのかな。気を付けないと、笑いが止まらない」
「う、うん」
今回の授業を受けている生徒は、メルダースの厳しい進級試験を乗り越え四年生になった者達の集まり。
よって授業内容も、それに比例して難しくなってくる。
いや、今回の授業は簡単な方だ。
この場所で育てられているハーブの大半が、自生している植物。
普段は教師が用意した安全なハーブを使用しているが、学園を卒業したら自分でハーブを見分け調合しないといけない。
今回ハーブを見分ける訓練も含めた授業なのだが、結果は散々なものといっていい。
「ラルフ、其方に行くな。毒草エリアで、おかしな物を見つけたら困る。お前の行動は、読めないから」
「マ、マジ!」
「其処に生えている、黄色いハーブ。このハーブは、教科書に載っているだろ? それを服用してしまうと全身が痺れ……いや、痺れるという問題じゃないかな。固まるが正しいかもしれない。だから、そのハーブは摘まないよういに。間違って調合したら、後が面倒だ」