幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「大丈夫じゃないかな。軽い脳震盪だと思うって。今保健の先生がみのりの家に
連絡しに行ったよ」
アリサちゃんにそう言われ、ドキドキと鳴る心臓が少しだけ落ち着きを取り戻していく。
とにかくホッとした。
胸を撫で下ろし、切れた息を整えていた。
「ただの幼なじみがそんなに息切らして走ってくるんだ?」
だけど突然真鍋にそう言われ、返す言葉が見つからなくて。
黙り込んでいた俺に真鍋はまた口を開いた。
「なんでそんなに必死こいて走ってくるんだよ?」
「……」
「ったく…世話の焼ける奴だよお前も」
真鍋はそう言うと立ち尽くす俺の横をスーッと通り過ぎ、保健室から出て行ってしまった。
「ごめん、私も行くね!みのりのこと、後はよろしく」
するとアリサちゃんも真鍋を追うようにそう言いながら慌てて保健室から出て行った。