ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】
「美玲も合格だってさっきテレパシーが!」

雅人が嬉しさのあまり涙ぐんだ。

「良かったな!」

美玲は国立大魔法医科大学の魔法薬学部を受験している。これまた難関大学なので、美玲は必死に勉強に励んでいた。

そんな姿を見てきた俺らには、喜びは一押しだ。


みんな揃って大学合格か。

これ以上の喜びなんて、そうそうないと思う。


「翔太」


不意に雅人が俺の名を呼んだ。


「何だ?」

俺はまだ合格した喜びに浸っていた。


「…忘れてないよな?」

その一言で何が言いたいか分かった。

「もちろん」


すると雅人は諭すような口調で俺に言った。


「…忘れるな。由良は今記憶を失ってんだ」

「分かってる。俺らのことを忘れてるんだろ」

「だから、由良がお前の事を見ず知らず他人のように接してきても、ショックを受けるんじゃねーよ?」

「分かってる」


例え由良が記憶を失い、俺のことを忘れていようとも、それでも


「俺は由良に会いたいんだ」


すると雅人は「俺達はお前の味方だ」と励ましてくれた。
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