謝罪のプライド

「ちょっとこっちでお茶でも飲もうか」

「はい!」


会議スペースに移動し、コーヒーを差し出す。
美乃里は目元を抑えたまま、ふうと何度もため息をついていた。


「全部理解することないのよ。前も言ったけど」

「はい、そうなんですけどぉ。専門用語が多くて。ここの人たちの会話」

「まあ、システム内部の方だからねぇ。プログラミング用語も結構出てくるとは思うけど」

「ここの部署って結局何してるんですかね」

「何って……お客様の要望みたいな通りのシステムを作ることね。例えば、在庫管理システムとか。今だとブラウザを使ったものが多いのかな。ブラウザに表示できるような入力フォームを作ってそれをデータベースと照合して……みたいなプログラムを作るの。実際のプログラミングは外注に出すこともあるらしいから、ここのキモはシステム構築かな。お客様の要望に沿ったもの最も効率的な構造で作れるかってとこが問われるんだと思う」

「へぇ。新沼さんって説明上手ですね。システムの人の話よりわかりやすいです」

「詳しく知らないから逆に簡単に言えるんだと思う。実際にやってる人はもっと知識も経験もあるから、いろんな場合を考えてしまうでしょう」

「なるほどぉ」


素直に感心したように頷くと、美乃里は一口コーヒーを含んだ。

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