謝罪のプライド
「おい、新沼どうした? なんかあったのか?」
部長が心配そうに私に問いかけてきたので、事の顛末を説明する。
部長は眉を寄せ、考えこむような仕草をした。
「東峰ロジスティックか。確かプログラムも同時導入だったから……原因の切り分けに苦労しそうだな」
「そうですね」
「流石の九坂もプログラムの中までのことはわからないだろ。システムに、概要だけでも聞いてこい。ここは抜けていいから」
「はい!」
部長の言葉に背中を押されて、システム開発部にむかう。ここはそんなに外出の多い部署では無いのだけれど、今日は見た目人がまばらだ。とりあえず、部長席にいる沢木さんに声をかける。
「沢木さん!」
「あら、新沼さん、どうしたの」
「東峰ロジスティックさんの担当ってどなたですか? 今ちょっとトラブってるようなんですけど」
「トラブル?」
沢木さんは眉を寄せ、社員の外出先が書かれたボードに目をやる。
「担当は塚原ね。今日は外注先と打ち合わせって言ってさっき外出しちゃったところだけど。どんな話?」
塚原さん……ってことは美乃里がお世話になっている人だ。
嫌だな、まさかそれ絡みでトラブルってことはないよね。