謝罪のプライド
『バックアップのタイミングでなんか誤動作してるんだな。プログラム自体はチェックして出してるんだろうからミスってわけでもないだろうし。とにかくそこが問題ならシステムの連中に来てもらった方がいい。初音、今田中に今回の現象をまとめたものを送らせるから、システムの方に応援頼む』
「分かった」
『俺はこのまま別の客先に行くから』
「……本当にありがとう」
見えないけど、電話の向こうで浩生が笑ったような気がする。
すぐに田中さんからメールが送られてきたので、沢木さんのところに転送しシステム開発部に向かう。
沢木さんは私の顔を見るなり訳知り顔で頷いた。
「塚原に電話したわ。すぐ向かわせる」
流石素早い。
ここまでくればもう私の手を離れても大丈夫だろう。
「はい、よろしくお願いします」
「新沼さん、迅速対応ありがとうね」
「いえ、私じゃなくて九坂さんが」
「九坂はアナタの頼みじゃないと動かないわよ」
沢木さんがニヤリと私を見るので、思わず目が点になってしまった。
「……え?」
「あら、私が気づいてないとでも思った? 九坂の態度で分かるわよ。あなたには甘いわ」
「う、嘘」