謝罪のプライド


 夕方、システムから上がってきた報告書に目を通す。

トラブルの原因はプログラムのエラー処理の部分にあったらしい。

 社員だけが使用できるプログラムで、在庫数の修正をWebからできるというものがあったらしいのだけれど。
受け取り側の都合でいつもより早い時間にトラックに積み込み、引き取った分の在庫数の変更を入力したら、たまたまバックアップのタイミングと重なり上手く処理できなかったらしい。

 当然エラー処理で再施行が行われるのだが、その部分のプログラムに異常があり、ループになってしまったのだという。


「テストで発見できなかった俺のミスだ。すみません」


私のところにまで頭を下げに来てくれたのはシステム開発部の塚原さん。

今回のプログラミングは下請けに出していたというので、彼だけのミスというわけではないのだろうけど、代表して謝ってくれているようだ。
塚原さん、イイ人。


「塚原さんだけのせいじゃないです」

「新沼ちゃんが色々駆けまわってくれたんだってね。ありがとう」

「それが仕事です。それに、原因を究明してくれたのは九坂さんですし」

「ああ、九坂ねー」


塚原さんは急に苦虫を噛み潰したような顔になる。

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