謝罪のプライド

「別に面倒見てるつもりはない。坂巻が誰に食われようが知ったこっちゃないが、これが原因で会社辞めるような話になっても困るだろう」

「まあね」


でも、美乃里がそんなに落ち込むとも思えないけどな。


「……お前のためだ」


ポツリと言った声に立ち止まる。

薄闇の歩道、お店からの明かりに照らされた浩生の顔は真剣な面差しをたたえている。


「正直、俺は坂巻のことは最初の時点で呆れてるしどうでもいいんだ。……でも、お前は見捨てなかったろ。俺に向かって代わりに謝った。それに、お前と話した後坂巻も多少マシになったし。……初音がちゃんと育てる気だったから、俺もちゃんと育てて返そうと思っただけだ」

「……浩生」

「ああもう、面倒クセェな」


髪をガシガシとかき回して、浩生はそっぽを向く。
そんな彼に私の心臓はどんどん高鳴っていった。


「初音」

「は、はいっ」

「悪い」

「え?」


今私、謝られた?
なんで謝られるの?

どうしたの。どうしたの、どうしちゃったのー!


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