謝罪のプライド
……浩生も自信がなかったのかな。
だからプロポーズするのに謝るの?
あの“謝らない男”が。
馬鹿だよ。
私があなたをどれほど好きか、あなたになら縛られたいって思ってることが、全然分かってないんだ。
「謝らないでよ」
浩生は表情を変えずに私を見つめる。
「謝られるようなことじゃないの。私は浩生が好きで、尊敬してて。ずっと一緒にいたくて」
興奮しているからか、涙がこみ上げてきた。
「ずっと自分が浩生にふさわしいのか自信持てなくていじけてただけなの」
泣きそうになっているのを隠したくて俯いたけど、声の潤みで簡単にバレてしまいそう。
「浩生が、……一緒にいて欲しいって思ってくれてるなら嬉しい」
「俺は一緒にいたくないヤツの部屋には通わない」
「うん」
そうだね。
浩生は言葉にしないけど、いつも行動では表してくれていたんだよね。
「でも言葉にされないと分からなくなるんだよ、女って」
甘えられる女なら、自分から聞きにいけるのかもしれないけど。
「……面倒くせぇんだなぁ」
浩生は私を抱きしめて、ポツリとそう呟いた。
言葉は冷たかったけれど、胸がお鍋を食べた時みたいに暖かくなる。
「面倒くさいのは嫌?」
「……初音なら仕方ないか」
耳元にかかる熱い息。もう誰に見られてるとか気にもせずにしがみつく。