謝罪のプライド
それから四十分後、清水さんはカウンターに雪崩かかっている私達を見つけてホッとしたように笑う。
「ごめんね、初音ちゃん。亜結のやつ、ベロベロまで飲んじゃったんだろ」
「いえいえ。こんなに油断して飲む亜結って珍しいんです。清水さんが迎えに来てくれるってわかってるから、きっと安心してるんですね」
半分寝かかってる亜結を、いとおしそうに見つめた彼は烏龍茶を一杯頼んだ。
「いや、初音ちゃんと飲めるのが楽しみだったみたいだよ? お互い既婚者になったらなかなか無理だしって言って」
「そうですか?」
「亜結は、初音ちゃんのこと凄く好きみたいだから」
「いやいや、清水さんのことも大好きのようですよ」
お互いになんとなく持ち上げあって、思わず一緒に吹き出してしまった。
「やっぱり清水さんイイ人」
「そう? 亜結にはいつも振り回されぱなしだけど」
「そこも含めて手のひらで転がしてそう」
「まさか。振り回されてるのは俺の方だよ。さて。車で来たから初音ちゃんも送っていくよ」
「ホントですか? 助かります」
お会計を済ませて、清水さんの車の後部座席に乗り込む。
酔っぱらいの亜結を膝枕してあげる。ここにゲロったら承知しないわよ?