謝罪のプライド
「……すみません。でも、お客様の説明も分かりづらくて。私てっきり言いがかりかと思ったんですよ」
「初期不良よ。確かにこうやってかけてくるお客様に支離滅裂なことは多いし、だからこそヘルプデスクの方に回されてきたんだろうけど。最初から疑ってかかったら解決するものもしないわ」
「はい」
「次は頑張ってね」
格好良く言っては見たけど、自分にだってそういう経験がなかったわけではない。
人は失敗をして学んで行くものだ。失敗自体を責めるのは人材教育には向かないだろう。
わかってはいるのよ。
それでもヒステリーっぽくなっちゃうのは私にもまだまだ経験が足りないからだ。
一呼吸置いて、美乃里を見る。うなだれている姿には同情の余地がある。
ちゃんと反省はしてるんだわ。だからこの反省を活かさせないと。
「私、自信ないなぁ」
「最初は誰でもそうよ」
私はできるだけ優しく彼女に告げる。いつかものすごい戦力になってくれることを期待して。
「新沼さんもですかぁ?」
「ええ。だからメゲないで。とりあえずあなたはさっきのクレーム処理の報告書書いてね」
「えー。最後対処したの新沼さんなのに」
「最初に受けたのはあなたよ」
むくれた表情の美乃里に有無を言わさず書類を渡す。
反論してくるなよ。優しくして損した気分になる。
最近の若い子は……って、私だってそんなにおばさんな訳じゃないのに!
二十七歳よ、三つしか違わないじゃないの!