謝罪のプライド

頬杖をついたまま、テレビをつけてみる。深夜だからかショッピング番組が多い。
見ていると無駄に欲しくなってきて困るなぁ。これ以上この部屋にかさばる物なんか増やせない。


「上がったぞー」

「んー、あとお湯入れるだけ」


湯気をあげたままの体に下着だけを履いた状態で出てくる。首にタオルはかけてはあるけど、……正直目のやり場に困る。


「ちゃんと着てよ」

「別にいいだろ。暑いんだよ」

「すぐ寒くなるよ。風邪引いたら困るし」

「とか言って、欲情するから止めてほしいとかじゃないの?」

「そんなんじゃないわよー!」


もう、馬鹿にして!
ニヤリと笑う顔には、余裕がありすぎてイラつく。

確かに、惚れ込んでいるのは私の方だ。
欲情も……無いとは言わないわ。
でも今は怒ってるんだから。


「もう知らない。私眠いから。勝手に食べて!」


お湯を入れたお茶漬けをテーブルにドンと出し、そのままベッドへと戻る。


「なんだよ、怒ったのかよ。初音」

「知らない!」

「違うか。拗ねてんのか。明日はなんもねーからお前といるよ」

「うるさいってば!」


図星をつくのもやめてほしい。
折角一緒にいるって言われても、喜べないじゃないの。


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