謝罪のプライド
「今まで仕事してたの?」
「いや。夕方からはCEで飲んでた」
「なのにお腹空いてるの?」
笑って聞くと、浩生も髪をいじりながら笑う。
「どうも水分ばっかりになってな。飲んだ後はなにか食いたくなるんだよ」
そういうものか。
私にはさっぱり理解できないけれど、とりあえず冷凍うどんを汁で煮込んだだけのうどんを作る。
「卵入れる? ネギは」
「いる。いい匂いだな」
「頼む時ばっかり褒めるんだから」
それでもいい気分になってる自分がいる。
普段甘い言葉を言わないだけに浩生の一言には攻撃力があるのだ。
小さなテーブルの上に置かれたうどんを、浩生はズルズルと音を立てながら食べる。
「美味しい?」
「旨い。やっぱり呑んだ後は初音の料理だな」
「料理って言うほど大したものは作ってないけどね」
「はは。それもそうか」
謙遜したのにあっさり同意された。
酷い。そこは嘘でも褒めてほしいわ。
ホントはこの後「胃袋掴めてる?」って質問をしたかったのに、その返答からではちょっと話をもっていけない。
いや、でも今日は頑張ってみよう。私だって先の事は不安なんだから。