ずっと前から君が好き
"高校生活スタート"
夜になってもワイワイ俺たちは話し続けて、気付いたら朝になっていた。
「やっべー!遅刻するっ!」
とまだ寝癖いっぱいでパジャマ姿の銀。
「だから、もうそろそろ準備しておけと言ったんだ!」
と呆れ気味で怒っている準備万端の蒼太。
そして、
「うわっ!急げっ銀!!あと、10分で遅刻だぞ!!」
と急いで制服に着替えている俺。
---それから15分後---
無事入学式は終わったが、入学式早々、遅刻しそうになった銀と俺は、
蒼太に教室に着いてから散々怒られたのだった。
「悪かったって蒼~!もう許してよー!」
「ごめん、蒼太...。」
俺たちがそう謝ると、蒼太は黒色のメガネをくいっと持ち上げ、ため息をつきながら言った。
「...ったく、分かったよもう。明日からは気をつけろよ?」
「ありがとー!!蒼~!!」
銀は蒼太が許すなり飛びついていった。
「なぁ、蒼太?」
「ん?なんだ、優也。」
俺はずっと気になっていたことがある。
それは...。
「蒼太ってメガネしてたっけ?」
俺がそう尋ねると、蒼太はメガネを外しながら口を開いた。
「あぁ、これか?俺はもともと目が悪いからな、いつもはコンタクトだけど
、昔から学校とかではメガネなんだ。」
「そうなんだ~。」
なんて話していたら、俺たちの前にニヤニヤしながら銀が立った。
「ねぇねぇ、二人とも?このクラス、どう思う?」
ふふっと笑う銀に、蒼太は首をかしげて聞いた。
「どう思うって?」
「ヤダな~、蒼ー。可愛い子多いと思わない?」
口元に人差し指をあてながら、銀がそう言うと、蒼太は顔を真っ赤にして叫んだ。
「ババババババカァッ!!何言ってんだ!お前は!?」
叫ぶと同時に、思いっきり銀の腹をグーパンチで殴った。
「ぐはぁっ!!っちょ...蒼ぉ..何、すんの..さ..?」
「だ・ま・れぇ..!」
「ちょちょちょ、蒼太!..けっこう目立ってるから!!」
「「..っ!?」」
「「.........。」」
もう一発殴ろうとする蒼太を、俺はなんとか止めることができた。
だが...なんせ、たくさんの生徒がいる教室で、大声を出したから、
俺たち3人は大勢の人の視線をあびたうえ、俺たちの第一印象は、
クラスメイト達に"変な人たち"と思われたことだろう。
「はっ!?..う...う...うわあああ!!」
バシンッ!!
「「「あ....。」」」
そして恥ずかしさのあまり、蒼太は叫びながら、銀の顔面を平手打ちしたのであった。
その後の教室には、銀の悲鳴と、俺と他のクラスメイトたちの小さな声が響いていた。