ずっと前から君が好き


そんなこともあったが、俺は少しずつだけど、二人のことが分かってきたような気がする。

銀は、お調子者だけど、元気で明るくて面白いヤツだ。
それと、蒼太とは小学生のころに仲良くなって、"蒼<そう>"って呼んでいる。

蒼太は、優しくて周りのことがよく見える、大人っぽい性格だが、すごい恥ずかしがり屋である。
銀とは違う面白さがあって、よく銀にからかわれたりする。
それと、恋愛話とかは苦手そうだ。笑


そういえば、よく考えてみると、二人は俺が初めて仲良くなった男友達だ...。


そう考えると嬉しい気持ちにもなるが、嫌われたくないと思って心配になってしまう。


そんなことを考えていると、教室の扉が開いた。

「おーい、席つけー!点呼するぞー。」

先生が教室に入ってきたのを合図に、俺たち生徒は一斉に席に着く。

席の場所はこうなった。

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       教卓

 机 俺 蒼太 机  机 机
 机 銀  机 机  机 机  
 机 机  机 机  机 机
 机 机  机 机  机 机
 机 机  机 机  机 机
----------------------------------

けっこう銀と蒼太に近いから、俺にとっては良い席だ。


そんなことを教室を見渡しながら思っていると、銀に背中をつつかれた。

先生の目線を見計らって振り向く。

「優也~蒼、まだ怒ってる..?」

そっと右に顔を戻して蒼太を見ると、右肘を机につけてムスッとした顔を浮かべていた。

俺は声の大きさを落として、蒼太の方を見たまま言った。

「うん...まだ怒ってるみたい..。」

「そっか~、蒼はすぐ怒るもんなぁ--「「ひっ!!」」

俺たちの会話が聞こえていたのか、蒼太が俺たちの方をすごく怖い目で睨んでいる。

俺たちは、急いで頭の前で手を合わせ"ごめんなさい"のジェスチャーを行う。

それを行わないと、本当に大変なことになってしまう気がしたからだ。


それから行い続けた俺たちのジェスチャーが伝わったのか、蒼太は大きなため息をついて
睨むのをやめた。

そのかわり口パクで"バカどもが!"っと言われたけど..。


「はーい、ってことで今から委員会とかの役割分担をしまーす。」

俺たちが軽い命の危険にあった間に、いつのまにか話は進んでいて、
担任の先生が黒板にいろいろと役割を書き出していた。

「優也、銀、何にするか決めたか?」

「い、いや、まだ。」

"蒼太に睨まれてて、怖かったから考える暇がなかった"なんて言えないから黙っておこう。

「いやいや、蒼太が怖すぎてそんなこと考えれなかったよ~笑」

「っ!!」

ボゴォッ!!

「グフゥッ!!!」


このあと、銀が殴られたことは言うまでもない。

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