彼は、魔法使い
「伊織が無理なら、あたしにも無理ですよ」

「イチカも、それはわかってると思う」


あたしは、サラさんの言葉に眉を細める。


「それでも、芹香ちゃんに頼みたいんだと思う」

「、、、どういう、意味ですか?」

「芹香ちゃんの、、、魔法の手に、かけてるんじゃないかな?」


サラさんは、あたしの手を見る。


「今ね?イチカ、雑誌の撮影で日本に居るの。でも、イチカの決意が決まらなければ、髪は切れない。きっと、今回も撮影に穴が開くわ」

「今回の撮影も、、、って」

「髪のことがあってから、今までの仕事、全てに穴を開けてる」


髪くらいでって、思う人も居るだろう。


でも、イチカからしたら、、、


それくらい、大事なことなんだ。

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