彼は、魔法使い
運ばれて来たウーロン茶を直樹さんに押し付け、あたしは店員さんに生を頼む。


そして運ばれて来た生に手を伸ばそうとした時、横から直樹さんにグラスを取られる。


だからあたしは、直樹さんの飲みかけのグラスを空にしてやった。


「ぷはぁ〜」

「お前なぁ〜」


直樹さんはそんなあたしのことを、冷たい視線で見る。


超ご機嫌な今のあたしは、そんなことでムキにはならない。


「直樹さんって、あたしにだけ意地悪じゃないですか?」


あたしは前々から思っていたことを、口にする。


「あ!もしかして、あたしのこと好きなんですか?」


なんて、素面のあたしでは絶対に言わないような言葉を口にする。


それに、直樹さんは口にしていたお酒を吹き出しそうになる。


「大丈夫ですか〜?」


そう言い、近くにあったおしぼりを差し出す。

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