彼は、魔法使い
「お、お前が急に変なこと言うからだろ」

「まさか、直樹さんがあたしのことを好きだったなんて、思いもしませんでしたよ」

「変な勘違いしてんじゃねぇよ」


お酒の力で、調子に乗って居るあたしに言う。


「真顔で否定されても、説得力ないんですけど」


それを冗談で返されていても、同じことをあたしは口にしていただろうけど、、、


そんなあたしに、直樹さんは呆れたようにため息を零す。


「あたし、女として、、、ううん。人としてすら、価値のない人間なんですよ」


あたしは、そんな言葉を呟く。


そして面白くもないのに、直樹さんに笑って見せる。


そんなあたしのことを、直樹さんは真っ直ぐに見つめて来る。

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