彼は、魔法使い
そして、ソッとあたしの耳元に顔を寄せる。


「これを、最後にさせんなよ?」


その言葉に、あたしは振り向く。


__チュッ__


そんなあたしに、直樹さんは唇を重ねる。


「後は、お前次第」


唇が離れ、直樹さんはいつもとは違う、真剣な顔で言う。


「俺は遠距離恋愛なんて、する気はねぇからな」

「それって、、、」

「だから後は、お前次第だ」


そう言う直樹さんは、いつも直樹さんで、、、


意地悪そうな顔をしていた。


「なら、直樹さんが一緒にパリに来ればいいじゃないですか」


素直じゃないあたしは、直樹さんにそんな言葉しか向けられない。


「俺は、日本を離れるつもりはねぇ。俺のことを待ってる、可愛い子ちゃんがいるからな」

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