プリンセス☆ロード






「はっ!!!!」





ソウシが剣を高速で風を斬るように回す。
その剣の風圧により落ち葉がサーッと引き、視界が鮮明になった。






「すごい…」

「剣の腕はソウシが一番だ」

「へぇ…」






感心して見ていると、鮮明になった景色に敵の姿を見つけた。
あれはきっと、獣型の悪魔だ。






「ちっ!」

「引き上げるぞ!」






姿が見えたことで悪魔たちは撤収していく。








「待ちやがれ!」






リューが慌てて追うが、逃げ足は速く姿はあっという間に見えなくなってしまった。








「やはり、罠でしたか」

「罠って、…もしかして」

「きっと、そうでしょうね」






もしかして、に続く言葉を酌んでソウシが答える。
そんな…。



これが罠だとしたら、ここに促したリクくんが協力したということになる。
助けるって約束したのに…。


でも、お母さんの命がかかってるんだもん、仕方ないよね…。







「いちいち傷つくな。そんなこと、わかりきってたことだ」

「え?」

「助けると言ったところで、簡単に信じられるわけがないだろう。そう考えればこれが罠だってことは簡単にわかることだ」

「じゃあ、最初から罠だってわかってて来たってこと!?」






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