プリンセス☆ロード




ドサッ!





「ったぁい!」





ネックレスを見せた後、黙り込んだレンは牢の鍵を開けると私の腕を掴んでどこかに連れて行った。
何度どこに行くのか声をかけても無言のまま、こちらもちらりとも見ずにずかずかと進んでいく姿は少し怖かった。
途中牢があったであろう建物から出て、庭のようなところを通ったけど、まるで楽園みたいに花いっぱい咲き乱れている綺麗な庭だった。




そんな庭にも、山にいたはずと思ってた私は気が動転していたのだけど、動揺している余裕もないまま再び別の建物の中に連れられ今度はその中の豪華さに目を丸くしたのだった。
とても広いフロアの奥に、ゆっくりカーブがかった階段。
まるで、お姫様が住むお城みたい!

ここでも、そんな風に感動なんてしている暇もなく階段を上り、ただっぴろい部屋へ連れてこられた私。
ついたと思ったら投げ飛ばすように放り投げられた。







これが、女の子に対する扱い!?






後ろ手に縛られている私は手も付けず不恰好に転ぶ。
どうにか体を起こしてレンを睨みつけた。
でも、レンはぶすっとしかめっ面をしたまま視線を合わせようとしなかった。






やな奴!








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