人気女優がタイムスリップ!? ～芸能界⇒島原⇒新選組～

「そんな…
左之助が負けるなんて。」


原田さんの呼吸音だけが部屋にひびびく中、永倉さんが口を開いた。


「てめぇ、なにもんだ。」


その静粛の中、威圧的な声が響いた。
その男の人の一言で原田さんに向かられていた視線はそれを発した男の人に向けられた。


「ん、
誰だお前。名前を言え名前を。」


「ふん、そうだな。
名くらいは名乗ってやろう。
俺の名は土方歳三（ひじかたとしぞう）、壬生浪士組の副長をやっている。」


「俺の名前は三条翔。
俺と彰は深い仲だから、彰には手を出すなよ。」


その土方と名乗った男の人は、三条という苗字を聞くと何かをたくらんだような顔をして、言葉つづけた。


「そんなことはどうでもいい。佐野助が負けるくらいだ、相当の手練れと見た。
それに、三条と言う苗字は聞いたことがある。どうだ、壬生浪士組の隊士にならないか。」



ザワッ


「………。」



その土方さんの提案で、隊士達は驚きが隠せないといった表情で土方さんを見た。


翔が無表情で土方さんを見る中、悠斗が口を開いた。