人気女優がタイムスリップ!? ～芸能界⇒島原⇒新選組～

私が心の中でそう思っている間にも、２人…いや３人の言い争いは続いていく。


「土方さん!!
いくら土方さんでもそれは許されないぞ!!」


「彰に触っていいのは俺だけだー!!」


「あ゛～、うるさい!!
だいたいな～、芸子ってそんなもんだろ。こいつだって裏で身体売って客とることくらい平気でする、女ってそんなもんじゃないのか。ならこんくらいしても…」


スパァーン


「いい加減にしてください!!」


私は、土方さんがそう言い終わる前にその頬を力いっぱい叩いた。


「確かに身体を売って商売をしている子もいる。
だけど、その言い方は純粋に芸子を目指している子たちに失礼です!!」


「彰…
もうやめろ。」


我を忘れて叫んだ私は、悠斗の声で正気に戻った。


「ご、ごめんなさい!
私ったらなんてことを!!」


正気に戻った私は頬を叩いてしまった土方さんと、部屋の空気を悪くしてしまった皆さんに謝った。


「おい、女。
本名はなんという。」


不意に名前を聞いてきた土方さんに、少しの罪悪感から私は急いで答えた。


「一ノ瀬彰です…」


「一ノ瀬…
そうか、お前一ノ瀬家の人間か。でも何でこんなところに…
まぁいい、いいことを思いついた。」


一ノ瀬と聞いて、翔のときの同じような何かたくらんだ顔で何か考えている土方さん。
その顔に、私は嫌な予感しか感じなかった。


「改めて問う、
お前は一ノ瀬家の人間か。」


「は…はい。」


私がそう答えると、『疑惑が確信に変わった』と言うような顔をした土方さん。
その顔に、改めて嫌な予感を覚える暇もなく土方さんは、衝撃的な言葉を続けて言った。