風の詩ーー君に届け
だが、ハイネの詩により有名になった「ローレライ伝説」はヒットラー時代。



ドイツではハイネがユダヤ人だったために、歌唱が禁止されたという。





――ローレライ

ハインリッヒ・ハイネ作詞
近藤朔風 訳詞


なじかは知らねど

心わびて

昔の伝説(つたえ)は

そぞろ身に沁(し)む

寥(さび)しく暮れゆく

ラインの流(ながれ)

入日に山々

あかく映(は)ゆる

美(うる)わし少女(おとめ)の

巌(いわ)に立ちて

黄金(こがね)の櫛とり

髪の乱れを

梳(と)きつつ口吟(ずさ)む
歌の声の

神怪(くすし)き魔力(ちから)に

魂(たま)も迷う

漕ぎゆく舟人

歌に憧れ

岩根も見為(みや)らず

仰げばやがて浪間に沈むる

人も舟も神怪(くすし)き
魔歌(まがうた)謡うローレライ




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