浅葱色に射す一筋の光






 その日の夜…また綺麗な女将さんが部屋に来た。  静かに襖を開け、縄を解いてくれた。


  翔「ありがとうございます…このご恩、一生忘れません!!!」


     ?「はよぅ!!」


  廊下に出ると、後ろ手に縄で縛られ、猿ぐつわをされている女の人がいた…。


  その女の人は翔を見て一生懸命声を出し首を振っていた。


  翔は、綺麗な人から後退り…部屋に戻った


       「誰?」


  その女の人は部屋に入って襖を閉めた


    翔を抱き締め耳元で囁いた


    ?「迎えにきたで…」


   さっきとは明らかに違う低い声で…


   全身鳥肌が立った…お…男!!!


 翔は女の人を突き飛ばし、窓際まで走った


  いつでも窓から逃げられるように…


  ?「翔。迎えに来たで…遅ぉなって堪忍な!!」


  翔「……………………え?………………」


      ?「烝やで?」


     翔「烝?本当に?」


  烝「そうや…やっと見つけたんや…」


  翔「烝!!!ありがとう!!!麻呂…今日おかしかったから…ヤバいの…!!!」


    烝「…早よ行くで!!!」


  二人で宿を出て走った。屯所まで…



  漸く解放され、ホッとして泣けてきた

  


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