真夜中の魔法使い
花びらは仄かな点滅を繰り返しながら、ビンの中でゆっくりと回転していた。
独り言を聞かれただけではすまなかったのが問題だ。
「もし、これを知っていれば、
この前アキに迷惑をかけなくて済んだかもしれないのに・・。」
わざわざ駆けつけなくても、警告を発することができたかもしれない。
自分の甘さを思い知った。
「ーーははっ!これからは僕を呼びたいときにそれに呼びかけてくれればいいから!
もちろん独り言も大歓迎だけどねっ!」
「・・もう独り言は言わないもん」
「ーーでもこの時間につながるとは思わなかった。
眠れなかったの?」
ミユウが落ち込んでいるのに気づいて、話題を変えてくれたようだ。
アキの声色が優しくなった。