真夜中の魔法使い



わたしはと言えば、アキに関してはいつになく子供っぽく、感情的になってしまうところがあった。



学校に通わなくなってから、同級生の友達との仲は疎遠になって。



お兄ちゃんと二人きりという閉鎖的な環境で過ごしてきた。




そしてそんな生活に満足してきた。




それだけにあの日のアキとの出会いは衝撃的で、心のバランスを乱すのには十分すぎるほどだった。




一度暖かさを知ると、そこから離れるのは難しくなるものだ。




< 109 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop