真夜中の魔法使い
「もし、学校に通っていたら何か違っていたのかな?」
アキと話してからずっと思っていたことを口にする。
「急にどうしたんだい?」
「ううん。何となく、思っただけ。私、何も知らないから。」
普通の学校生活とか、学生が考えていることとか。
「学校に行ってみたい?」
そう言ったお兄ちゃんの声が強張っていて、こんな話するべきじゃなかったと後悔した。
「あんまり。朝起きるの辛いだろうし・・ただ、私って世間知らずなのかなって。」