マラカスの男

しかし、歌ってるおばあに向かって黒人の一人がビールの空き缶を投げたのを見て怒りを感じたが、ここはあくまで彼らのテリトリーであり或いは、沖縄県民が問題にしないなら俺達が関わる事ではないのだと思った。


歌ってるおばあは、チラッとだけ缶の方を見ただけで歌い続けていた。


公一が、タフだなと一言呟く。


俺も頷き煙草を吸いながらオリオンビールを飲み干すと尿意を覚えてトイレを探した。


トイレは奥の方に有り俺はくわえ煙草のまま空き缶を手に持ち人をかき分けながら歩いた。



ほとんどの人間が、煙草を吸うと床に踏みつけて消している。



床は、油と吸い殻で汚れていてとても清潔好きな本土の女の子は来れないよなと思うと何だか笑えて来る。



沖縄の観光地意外は不潔だと思うがタイやベトナムに比べたら何という事はないし、そういう不潔な感じは俺をリラックスさせてくれている気がする。




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