死ぬまで君を愛させて
僕と新吹さんのキスは血の味がする。
毎回ではないけれど、夜のキスは決まって鉄の匂いが鼻をつく。
絡み合ったお互いの舌がお互いの歯によって噛まれ、そこから鮮やかな赤い血が溢れ出す。
「み…さと……ンっ」
「っ…ぃた…いっ…」
舌がビリビリと痙攣する、熱くて辛いものを食べたときのような感覚なのに甘い。
とてつもなく甘い…
僕が痛いと言っても新吹さんはやめる気配すらない。
まぁ、僕とてやめる気はまったくないけれど。
このキスは相手を傷つけるためにやっているのではなく、もっと深く相手を感じていたいという思いからうまれたもの。
ようするに『可愛くて食べちゃいたい』だ。
僕が新吹さんに可愛いなんて思うのは失礼かもしれないけれど、僕はそう思っている。
新吹さんも同じだったらいいのにな…なんて考えたりもした。