ガラスの靴じゃないけれど
人生三度目のお姫様抱っこをしてもらった私は、心地良さと、恥ずかしさが入り混じった複雑な感情を抱いた。
私の身体がふわりと下ろされた先は、カウンターの上。
突然、彼がカウンターの上を片付け始めたのは、私を座らせるためだったみたい。
けれど、なんでこんな場所に?
有無を言わさずにパンプスを脱がされ、素足にされた私に用意されていたのは、彼の言う通り特別な授業だった。
「いいか。オマエのように足の人差し指が親指より長いタイプのことをギリシャ型と呼ぶ」
彼は椅子に腰を下ろすと、カウンターの上に座っている私の右足の踵を左手で支える。
そして右手の人差し指で、私の足先をツツツッとなぞり始めた。
「日本人で圧倒的に多いのは親指が一番長いエジプト型だ」
口では真面目なことを説明しているくせに、彼の指は私の反応を確かめるように右足の甲の上を滑り始める。
他人に足を触れられるという初めての経験をした私の心は、恥ずかしさに埋め尽くされた。