13年目のやさしい願い


「陽菜ちゃん、いらっしゃい!」



背中の真ん中まであるサラサラの髪の毛。

色白でほっそりした瑞希ちゃん。

とても整ったキレイな顔をした瑞希ちゃん。



瑞希ちゃんは、ベッドの上から、わたしを手招きした。



「瑞希ちゃん、具合、悪いの? 大丈夫?」



ぶら下がる3つの点滴。

横たわる瑞希ちゃん。



「少し、ね」



手を伸ばして、瑞希ちゃんの手を握ると、瑞希ちゃんは嬉しそうに笑ってくれた。



「はるな、いない方がいい?」



気分が悪くて、誰にも邪魔されず、一人で眠りたい日もある。

同じ病気を持つわたしには、幼くても、それはよく分かった。



「ううん。大丈夫だから、ここに、いて欲しいな」

「うん」


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