13年目のやさしい願い


「時間もないし、単刀直入に言うわ」



……なにを?



その女の子は、婉然とほほ笑んだ。

どちらかと言えば美人の部類に入る人。

甲高い声が、大人びた容姿と少し合っていない……なんて、どうでもいいことを考えていると、その子は、冷たく言い放った。



「叶太くんと別れてちょうだい」



……………え?



あまりに思いがけない言葉に、まだ起き抜けの頭はまったくついていけなかった。



半分夢の中で聞いた、保健室に入ってきてすぐの一ヶ谷くんとこの子の会話……。



何を話していた?

はっきり覚えてはいない。

でも、けっして好意的ではなかった。と言うより、悪意すら感じられた気がした。


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